コシバ・マサトシ。物理学者。東京大学名誉教授。ノーベル物理学賞受賞。
タナカ・コウイチ。島津製作所・主任。ノーベル化学賞受賞。
スウェーデン王立科学アカデミーは10月8日、2002年のノーベル物理学賞を小柴昌俊東大名誉教授ら3氏に贈ると発表。翌9日、化学賞を島津製作所ライフサイエンス研究所主任の田中耕一さんら3氏に贈ると発表。日本人のノーベル賞受賞は3年連続、計12人となった。また、1年に日本人が2人受賞するのは初めて。
物理学賞受賞の小柴昌俊さんは、1926年愛知県生まれ。51年東京大学理学部物理学科を自称ビリで卒業。70年から東京大学理学部教授、87年に退官、その後97年まで、東海大学理学部教授。カミオカンデに代表される宇宙線実験や、電子・陽電子衝突型加速器を用いた実験を行ない、素粒子物理学において数多くの賞を受賞。受賞していないのはノーベル賞だけといわれ、毎年その候補として注目されていた。
化学賞受賞の田中耕一さんは、1959年富山県生まれ。83年に東北大学工学部電気工学科を卒業し、島津製作所に入社。修士号も博士号もない無名のサラリーマン研究者の快挙に日本中がわいた。受賞理由は、「生体高分子の同定及び構造解析のための手法の開発」。島津製作所は、田中さんの自由な研究環境を整えるため「田中ノーベル賞記念研究所(仮称)」を設置する方針を明らかにするとともに、管理責任を負わない役員待遇の「フェロー」への昇格と、特別功労賞の支給を発表した。