フルカワ・ヒデオ。第19回三島由紀夫賞受賞者。
ウツキバラ・ハルアキ。本名、永原孝道。第19回山本周五郎賞受賞者。
5月18日、第19回三島由紀夫賞・山本周五郎賞の選考会が開かれ、三島由紀夫賞は古川日出男の「LOVE」に、山本周五郎賞は宇月原晴明の「安徳天皇漂海記」に決定した。
古川日出男は1966年、福島県生まれ。早稲田大学第一文学部在学中から雑誌の編集や、劇団を主宰し脚本・演出に携わった。舞台での表現に限界を感じて、小説家を志す。大学を中退、編集プロダクション勤務を経て、98年に「13」でデビューした。4作目の「アラビアの夜の種族」(2001年)は日本推理作家協会賞と日本SF大賞を受賞し、注目を集めた。05年に発表した「ベルカ、吠えないのか?」は直木賞候補になった。ほかには村上春樹のトリビュート小説「中国行きのスロウ・ボートRMX」(03年)などの作品がある。
宇月原晴明は、1963年、岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、本名の永原孝道で詩集や評論集を発表。評論集「お伽ばなしの王様 青山二郎論のために」で、99年の三田文学新人賞を受賞した。同年、デビュー小説「信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。詩集「イライザのために」(94年)や評論集「ワードウォーズ 言葉は戦争する」(95年)、小説「黎明に叛くもの」(2003年)シリーズなど、幅広い分野に作品がある。