ナギーブ・マフフーズ。Naguib Mahfouz。作家。
8月30日、アラブ世界を代表するエジプト人作家のナギーブ・マフフーズさんが死去。94歳。マフフーズさんは7月に自宅で倒れ、頭部を負傷し、入院していた。
1911年、エジプト・カイロ生まれ。商家に生まれ、カイロ大学で哲学を専攻。卒業後は長年公務員として働き、情報省映画担当顧問、文化省顧問などの要職を務めた。
17歳の頃から執筆活動を始め、カイロ市街の庶民を題材にした代表作『バイナル・カスライン』などカイロ3部作で名声を確立、歴史や社会、哲学などをテーマにした作品を次々と発表してアラブ世界で広く支持された。88年には長年にわたる文学活動が世界的に評価され、アラブ世界で初めてノーベル文学賞を受賞。
一部の作品は「宗教を冒とくしている」という理由で発禁処分となったこともある。
94年にはイスラム過激派と思われる暴漢に襲われ重傷を負ったが、晩年まで活発に活動を続けていた。