モチヅキ・ボクセイ。本名、安倍啓仁(あべ・ひろまさ)。歌舞伎囃子方(はやしかた)小鼓望月流宗家。
2007年9月20日、歌舞伎囃子方の人間国宝で、小鼓の名手として知られた望月朴清さんが、肝不全のため死去。73歳。
1934年、東京生まれ。歌舞伎音楽囃子の9代目望月太左衛門の長男で、祖父は3代目望月朴清。弟の堅田喜三久も人間国宝。幼少の頃から父によって歌舞伎音楽囃子、母から長唄三味線の手ほどきを受けた。51年、伯母の望月初子に師事して本格的に修業を始め、53年に5代目望月長左久を襲名。一方で、現代音楽やジャズのセッションにも参加した。88年に11代目望月太左衛門を襲名、93年には4代目朴清を襲名し、55年ぶりに名跡を復活させた。98年、重要無形文化財「歌舞伎音楽囃子」保持者(人間国宝)に認定。歌舞伎の尾上菊五郎劇団音楽部で立鼓として活躍、亡くなる3日前まで歌舞伎座の舞台に立っていた。