ヤマダ・カン。本名、寛(ひろし)。詩人。
6月8日、山田かんさんが、肺炎のため死去。72歳。
1930年、長崎市生まれ。旧制長崎中学3年で被爆。戦後、県立長崎図書館に勤務のかたわら詩作を始め、52年以来多くの詩誌を創刊・発行。58年、「鯨と馬」で第1回現代詩新人賞を受賞した。詩集「いのちの火」「予感される闇」「ナガサキ・腐食する暦日の底で」「長崎碇泊所にて」、エッセー集「記憶の固執」など原爆を題材にした作品を次々と発表。90年まで42年間勤めた県立図書館では「原爆文庫」を設け、原爆関連文献を集めた。長崎原爆をめぐる文学作品の評論集「長崎原爆・論集」が2001年に刊行されている。