ツチタニ・タケシ。彫刻家。
10月12日、鉄を主な素材に抽象彫刻を制作していた土谷武さんが、心不全のため死去。78歳。
1926年、京都府生まれ。清水焼の窯元の長男だったが、家業を継がずに彫刻を志し、東京美術学校に入学。平櫛田中らに師事した。57年新制作協会会員となり、61~63年パリ国立美術学校に留学。スタートは裸婦・胸像などの具象であったが、留学先のパリで転機を得て、帰国後、抽象に転じる。個展以外にも、新制作展、現代日本美術展、また神戸、箱根の野外彫刻展で作品を発表。現代彫刻展(神戸)大賞、現代日本彫刻展(宇部)大賞、ヘンリー・ムーア大賞展優秀賞、平櫛田中賞など受賞多数。96年には紫綬褒章も受章。多摩美術大学教授や日本大学大芸術学部美術学科教授を歴任。代表作に「門」「植物空間」などのシリーズがある。