フクシマ・タカノリ。脳外科医。
5月8日、脳動脈瘤や脳腫瘍などの難手術の名手として知られる脳神経外科の権威、福島孝徳デューク大学教授が来日、新設された福岡和白病院「東アジア脳神経センター」で執刀した。
1942年、東京生まれ。68年東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院、ドイツ・ベルリン自由大学、アメリカ・メイヨー・クリニック脳神経外科臨床・研究フェローなどを経て、80年、三井記念病院脳神経外科部長に就任。頭に小さな穴をあけ、顕微鏡を使い患部を切除・縫合する「キーホール(鍵穴)手術」の手法を確立し、世界的エキスパートとなったが、論文を医師の評価基準とする日本の医学界を嫌い渡米。困難な手術を次々と成功させ、アメリカの医療関係者からは「ラストホープ(最後の切り札)」と呼ばれ、日本のテレビなどでもたびたび紹介されている。現在はデューク大学脳神経外科教授。これまでも年に数回来日し手術指導を行ってきたが、「東アジア脳神経センター」には隔月で来日。患者と主治医をセットで受け入れ、医師を指導しながら年間数十人から80人ほどの手術を行う予定だという。