ミヤギ・オトヤ。心理学者。
11月26日、難解な心理学を分かりやすく説明し、心理学ブームの火付け役となった東京工業大学名誉教授の宮城音弥さんが肺炎のため死去。97歳。
1908年、東京生まれ。幼い頃から人の心に興味を持ち心理学を志す。京都大学哲学科卒業後、パリ大学などで心理学、精神医学を学び、帰国後、慶応大学医学部で助手を務めるかたわら昭和医学専門学校(現・昭和医科大学)で学び、医師免許を取得。東京工業大学教授、日本大学教授を歴任。50年代から70年代にかけ臨床を重視した心理学書を多数発表した。「夢」「精神分析入門」(岩波新書)などで、性格、夢、性などを具体的かつ明解で簡潔に解説し、日本中に心理学ブームを巻き起こした。他の著書に、全国の県民性を分析したベストセラー「日本人の性格」などがある。また、清水幾太郎、丸山眞男らと二十世紀研究所を設立、社会評論家としても活躍した。