リー・シェンロン。Lee Hsien Loong。シンガポール新首相。
8月12日、シンガポールで、約14年ぶりに政権が交代し、リー・シェンロン副首相兼財務相が首相に就任。
1952年、シンガポール生まれ。リー・クアンユー元首相の長男。イギリス・ケンブリッジ大学で数学、アメリカ・ハーバード大学ケネディスクールで行政学を学び、84年、シンガポール軍を准将で退役し、同年の総選挙で国会議員に初当選。32歳の若さで貿易産業担当兼国防担当国務大臣に就任した。90年のゴー・チョクトン内閣発足に当たっては副首相に就任し、早くからゴー首相の後継者として見られてきたが、92年には悪性のリンパ腫を発病したため、短期の中継ぎと見られていたゴー政権が予想外に長期化した。父親のリー上級相、ゴー前首相がともに内閣にとどまる禅譲ともいえる政権交代には海外からの批判も多く、自らの台湾訪問でこじれた対中関係の修復、国内の少子化問題や経済の伸び悩みなど多くの課題を抱える船出となった。