ハニハラ・カズロウ。人類学者。
10月10日、日本人の起源について、縄文人と弥生人との「二重構造モデル」を提唱した人類学者の埴原和郎さんが、肺がんのため死去。77歳。
1927年、福岡県生まれ。東京大学理学部大学院修了。札幌医科大学助教授、東京大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授などを歴任。骨や歯の形などの人類学的分析に基づき日本人のルーツを探った研究で、日本人は縄文人がそのまま弥生人に進化・移行したのではなく、朝鮮半島から北方系の弥生人が渡来して、それまでいた南方系の縄文人が東北と南西の両端に追いやられていったとする「二重構造モデル」を提唱。アイヌと縄文人の骨格の近似性を説いた。著書に「骨を読む」「新しい人類進化学」「日本人の起源」「日本人の成り立ち」などがある。