マフムード・アッバス。Mahmoud Abbas。パレスチナ暫定自治政府議長。
1月10日、パレスチナ暫定自治政府(PA)議長選で、パレスチナ解放機構(PLO)議長で穏健派のマフムード・アッバスが当選。
1935年、旧パレスチナ・サファッド生まれ。48年のイスラエル建国に伴い難民となり、シリアへ。そしてシリア、エジプトで高等教育を受け、モスクワにも留学。50年代末、アラファト前議長らとともにPLO主流派となったパレスチナ解放運動組織ファタハを結成。穏健派として知られ、70年代からイスラエルの和平支持派と接触。裏方として表に出ることはなかったが、93年の「オスロ合意」をめぐるイスラエルとの秘密交渉では中心的役割を果たした。96年PLOナンバー2の執行委員会事務局長となり、2003年4月暫定自治政府首相職に就任したが、9月にはアラファト前議長と対立して辞任。04年11月アラファトの死去に伴い、PLO議長となった。今回の選挙では他の候補を大きく引き離して圧勝。PAの最高責任者として、今後のイスラエルとの和平交渉再開へ向けての手腕が注目されている。