ワキタ・カズ。洋画家。
11月27日、子どもや鳥などを多く描き、やさしい色使いと叙情的な作風で知られていた洋画家で文化功労者の脇田和さんが、心筋梗塞のため死去。97歳。
1908年、東京生まれ。1923年、15歳で青山学院中等部を中退しドイツへ渡った。17歳の時にベルリン国立美術学校に入学。30年、同校を卒業し帰国。36年には猪熊弦一郎、小磯良平らと共に新制作派協会(現・新制作協会)を創設した。ドイツ風の視点と日本人の叙情性が融合した画風は「アンティミスト」(親密派)と評され、鳥や魚など身近なモチーフを抽象的に描いた作品で知られる。55年、「あらそい」で日本国際美術展最優秀賞を受賞。同画は翌56年のグッゲンハイム美術賞でも日本国内賞を受賞し、パリ国立近代美術館で展示された。56年から東京芸術大学で指導に当たり、同大学教授を経て70年に退官。91年に長野県軽井沢町のアトリエ敷地内に脇田美術館を設立した。98年に文化功労賞を受賞。