リービ・ヒデオ。本名、Ian Hideo Levy。日本文学作家。
1月27日、第32回大佛次郎賞の贈呈式が行われ、「千々にくだけて」を書いたリービ英雄が表彰された。
1950年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。外交官の父と共に少年時代を台湾と香港で過ごし、67年に日本へ移住。その後、日本とアメリカを往来しながらプリンストン大学大学院の博士課程を修了した。同大学やスタンフォード大学で日本文学の教授を務め、82年には「万葉集」の英訳で全米図書賞を受賞した。87年、文芸誌「群像」に日本語の小説「星条旗の聞こえない部屋」を発表して作家デビュー(同作品は92年に出版され、野間文芸新人賞を受賞)。大学を退任してからは日本に定住し、94年より法政大学第一教養部教授を務め、99年には同大学国際文化学部教授に就任。主な著書に「日本語の勝利」「天安門」「新宿の万葉集」などがある。受賞作の「千々にくだけて」はアメリカ同時多発テロをモチーフとした小説。大佛次郎賞は「赤穂浪士」「パリ燃ゆ」を書いたノンフィクション・歴史作家の大佛次郎の業績をたたえて創設された文学賞で、形式を問わず、優れた散文作品に贈られる。