ハイタニ・ケンジロウ。児童文学作家。
11月23日、『兎の眼』や『太陽の子』などの作品で知られる児童文学作家の灰谷健次郎さんが食道がんのため死去。72歳。
1934年、兵庫県生まれ。大阪学芸大学(現・大阪教育大学)を卒業後、神戸市の小学校で17年間教師を務めた。退職後アジアや沖縄などを放浪したのち、74年、過酷な生活環境で暮らす子どもと若い教師の交流を描いた長編小説『兎の眼』を発表。同作品は日本児童文学者協会新人賞を獲得し、ベストセラーとなった。その後も第二次世界大戦時の沖縄をテーマにした『太陽の子』などの児童文学作品を発表した。97年の神戸連続児童殺傷事件では、容疑者少年の顔写真を週刊誌に掲載した新潮社に対し、全作品の版権を引き上げた。米軍普天間飛行場移設問題では反対派の抗議行動に自分の漁船を提供、秘書給与詐欺事件で有罪となった辻元清美議員の支援活動を行うなど社会的活動でも知られた。全集として『灰谷健次郎の本』(全24巻)がある。