モーリス・ウィルキンズ。Maurice Hugh Frederick Wilkins。生物物理学者。
10月5日、DNAの二重らせん構造発見の立役者で、1962年にノーベル医学生理学賞を受賞したモーリス・ウィルキンズ博士が死去。87歳。
1916年、ニュージーランド・ポンガロア生まれ。6歳でイギリスに移り住み、ケンブリッジ大学で物理学を専攻。バーミンガム大学で研究を続け、第二次世界大戦中はアメリカ・カリフォルニア大学で原爆開発計画「マンハッタン計画」に参加。戦後は核物理学から離れ、ロンドン大学キングズカレッジで生物物理学の研究に従事。亡くなるまで同カレッジの教授を務めていた。ウィルキンズ博士はDNA分子構造の研究にエックス線解析法を導入。53年、博士が解析した写真やデータをもとに、ケンブリッジ大学のフランシス・クリック博士、ジェームズ・ワトソン博士がDNAの二重らせん構造を発見し、3人は62年にノーベル医学生理学賞を受賞。クリック博士は04年7月28日に死去したばかりだった。