ニャシンベ・エヤデマ。Gnassingbe Eyadema。トーゴ大統領。
2月5日、アフリカの元首として最長の38年間在職したトーゴ大統領のニャシンベ・エヤデマ氏が、心臓発作のため死去。69歳。
1935年、トーゴ生まれ。53年から61年までフランス軍に入隊し帰国。63年オリンピオ大統領打倒クーデターに参加。軍参謀長などを経て、67年クーデターでグルニツキー大統領を追放し権力を掌握、大統領に就任した。以来トーゴは西アフリカでもっとも安定した国のひとつに数えられていたが、90年代からは民主化の動きが高まっていた。本来、トーゴ憲法では大統領が死去した場合、国会議長が代行に就任することになっているが、ヨーロッパ外遊中の国会議長は国境が封鎖されていたため帰国できず、軍の宣言によって実子のフォール・ニャシンベ設備・鉱業・電気通信相(39歳)が大統領代行に就任。与党トーゴ人民連合(RPT)が圧倒的多数を占める議会は、前大統領の任期が切れる2008年6月まで無選挙で大統領の代行ができるように憲法を改正してしまった。アフリカ連合(AU)をはじめとする国際社会からはこれを大統領の「世襲」だとして非難が集まっている。