ワタナベ・フミオ。俳優。
大島渚監督作品やテレビ「連想ゲーム」などで活躍した俳優の渡辺文雄さんが、急性呼吸不全のため死去。74歳。
1929年、東京生まれ。東京大学経済学部を卒業して電通調査部に勤務していたが、56年公開の映画「泉」で小林正樹監督に見いだされて出演。それがきっかけで松竹と専属契約を結んで映画界入り。「愛と希望の街」「青春残酷物語」など、一連の大島渚監督作品に出演した。浅沼稲次郎暗殺事件の影響で「日本の夜と霧」の上映中止問題を機に大島監督が松竹を退社すると、行動を共にして61年に独立プロ「創造社」の設立に参加。大島監督作品や、東映のヤクザ映画で、インテリヤクザ役など貴重な脇役としての存在感を示した。60年代半ば以降はテレビで活躍。日本テレビ系「遠くへ行きたい」の案内役やNHK「連想ゲーム」の回答者でおなじみだった。食通としても知られ、フジテレビ系「くいしん坊!万才」では初代リポーターを務めたほか、食に関するエッセーや講演活動でも活躍した。主な著書に、「美味は海にあり」「渡辺文雄のおいしい魚の話」などがある。