ヤノ・テツ。SF作家、翻訳家。
10月13日、翻訳家で作家の矢野徹さんが、大腸がんのため死去。81歳。
1923年、愛媛県生まれ。中央大学法学部から陸軍善通寺騎兵連隊に入隊。戦車兵として敗戦を迎え、進駐軍の持ちこんだSF小説にのめりこんだ。ハインライン「宇宙の戦士」、ハーバート「デューン 砂の惑星」、スタージョン「人間以上」など、多数の海外SFを翻訳し、日本に紹介。作家としては時代冒険小説「カムイの剣」や「折紙宇宙船の伝説」などのSFを発表。63年、日本SF作家クラブの設立に参加、78年から79年まで同クラブ会長を務めた。85年には優秀な翻訳家に与えられる「チャペック賞」を受賞。パソコンゲーム黎明期にはゲームのレビュー「ウィザードリィ日記」を発表。草創期のパソコン通信では「狂乱酒場」という名のBBS(掲示板)のシスオペ(管理人)を務め、日本SF大会でも「酒場」を主催するなど、アマチュアのファン活動を大事にしていたことでも知られていた。