モハメド・エルバラダイ。Mohamed ElBaradei。国際原子力機関(IAEA)事務局長。
10月7日、スウェーデン・アカデミーは、核拡散防止の功績を評価し、国際原子力機関(IAEA)と、その事務局長であるモハメド・エルバラダイにノーベル平和賞を授与すると発表した。
1942年、エジプト・カイロ生まれ。カイロ大学法学部卒業、ニューヨーク大学法学部博士課程修了。64年にエジプト外務省に入省。外相特別補佐官、在ジュネーブ軍縮代表部次席常駐代表などを務め、84年からIAEAに勤務する。ニューヨーク事務所で勤務を始め、法律部長、渉外部長などを歴任し、97年から事務局長。現在2期目だが、北朝鮮やイランの核開発問題解決など、核不拡散体制の強化に意欲をみせ、2006年6月からの3期目にも立候補。イラク核兵器保有問題をめぐり、アメリカとの対立もあったが、発展途上国からの支持を得て9月の定例総会で3選を決めた。ノーベル平和賞は、75年に原水爆に反対したソ連(当時)のサハロフ博士、85年の核戦争防止国際医師会議(IPPNW)、95年のパグウォッシュ会議と、10年ごとに核兵器廃絶を目指す団体に授賞されており、核廃絶という世界へのメッセージが込められている。