ワンガリ・マータイ。Wangari Muta Maathai。環境活動家。
10月8日、ノーベル賞委員会は2004年のノーベル平和賞を、ケニアの女性環境活動家、ワンガリ・マータイに授与すると発表。
1940年、ケニヤ・ニェリ生まれ。アメリカ、ドイツで生物学を学び、ナイロビ大学で博士号を取得。77年、環境保護と住民の生活向上を目的に、非政府組織(NGO)「グリーンベルト運動」を創設。土壌の浸食を防ぎ、砂漠化を防止するための植林に、貧困に苦しむ女性を動員。環境運動を率いる一方、女性の地位向上にも努め、運動はアフリカ各地にネットワークを広げた。政府と対立し、投獄されることも度々だったが、2002年に国会議員に当選し、現在は環境・天然資源・野生動物省の副大臣を務めている。ノーベル賞委員会は「環境を保護するだけでなく、持続可能な発展を保つための土台を強化した」と評価。また平和賞の対象が環境分野にも拡大したのは、今回が初めて。環境と平和が深く結びついていることを世界の人々にアピールした。受賞の報にマータイは「資源が破壊され欠乏すると、それを手にしようと紛争が起こる。環境問題は平和の実現に非常に重要だ」と、語った。