バルテュス。Balthus。本名、バルタザール・クロソウスキー・ド・ローラ(Balthazar Klossowski de Rola )。
2月18日、「20世紀最後の巨匠」と呼ばれた画家、バルテュス氏がスイスのロシニエールにある自宅で死去。92歳。
1908年、パリに亡命中のポーランド貴族の家に生まれる。父母も画家、兄ピエール・クロソウスキーは作家という芸術一家で育ち、独学で絵画の道に進む。12歳で描いた絵を詩人リルケに絶賛され、リルケの序文入りの挿絵集を出版。30年代からシュールレアリズムの感化を受け、人物、風景などの具象画でありながら、白昼夢のような幻想的な作風を確立。83年以後、パリ、ニューヨーク、京都などで相次いで個展が開催された。フランスのルーブル美術館に在命中に作品が常設展示される。62年に文化使節として来日し、画家の節子夫人と知り合い、67年に結婚。日本の古典文化を愛する親日家としても知られた。代表作に「街路」「すばらしい日々」「コメルス・サンタンドレ小路」など。