ハン・ドクス。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)議長。
2月21日、朝鮮総連中央常任委員会議長の韓徳銖氏が肺炎のため、東京都内の病院で死去。94歳。韓議長死去の報に、在日本大韓民国民団(民団)も弔意を表明。00年6月の南北首脳会談以後、「総連対民団」の対立構図も融和に向けて大きく変化しつつある。
1907年、現在の韓国の慶尚北道生まれ。27年、声楽家を夢見て来日し、日大に入学したが、朝鮮人労働者の労働運動、民族運動に身を投じる。34年、丹那トンネル工事現場で、朝鮮人労働者のストを指揮したとして、治安維持法違反で投獄。戦後、在日本朝鮮人連盟(朝連)結成に参加。GHQ指令による朝連の解散後、在日朝鮮統一民主戦線(民戦)を経て、55年に朝鮮総連の初代議長となり、以後、半世紀近くトップを務める。在日朝鮮人の権利擁護、民族教育のための学校の整備、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への祖国帰還運動などを指導。67年以後、北朝鮮の最高人民会議代議員。94年の故金日成(キム・イルソン)主席の葬儀では、金正日(キム・ジョンイル)現総書記のすぐ脇に列席し、政治力があらためて注目された。