サルハシ・カツコ。地球化学者。
2007年9月29日、女性科学者の草分け的存在で、優れた女性科学者を称える「猿橋賞」の創設者としても知られる猿橋勝子さんが、間質性肺炎のため死去。87歳。
1920年、東京生まれ。43年に帝国女子理学専門学校(現、東邦大学理学部)を卒業し、中央気象台(現、気象庁)入り。57年、天然水中の炭酸物質の挙動についての研究で、東京大学化学科より、同科では女性初となる理学博士の学位を得た。54年にビキニ環礁で行われた水爆実験では、放射能の大規模な海洋汚染を明らかにし、以降、核兵器の廃絶を訴え、ライフワークとなった「死の灰」の研究は国際的に評価された。80年、気象庁を定年退官する際に知人らから寄せられた祝い金を基金に、「女性科学者に明るい未来をの会」を設立。同会が母体となり、優れた功績をあげた50歳以下の女性科学者に贈られる「猿橋賞」が創設された。81年、女性初の日本学術会議会員。著書に「女性として科学者として」などがある。