アオヤマ・コウジ。作家。
2008年10月29日、認知症の妻との日々を描いた私小説的作品「吾妹子哀(わぎもこかな)し」で、90歳にして川端康成文学賞を受け、史上最高齢の受賞と話題を呼んだ青山光二さんが、肺炎のため死去。95歳。
1913年、兵庫県生まれ。旧制三高在学中に織田作之助と出会い、東京帝国大学在学中の35年、織田らと同人誌「海風」を創刊。当初は純文学からスタートしたが、第二次世界大戦後は「近代文学」の同人に参加、任侠小説の分野で新境地を開き、「修羅の人」(65年)で小説新潮賞を受けるなど人気作家の地位を確立。80年には25年に起きた鶴見騒擾(そうじょう)事件を描いたノンフィクション小説「闘いの構図」で平林たい子文学賞受賞。2003年、痴ほうの症状の現れた妻を介護する老作家が、現在に若き日の問いを重ね合わせる私小説的短編「吾妹子哀し」で川端康成文学賞を受賞。史上最高齢の受賞と話題になった。他の作品に「竹生島心中」「われらが風狂の師」などがある。