イナコシ・コウイチ。本名、稲越幸一。写真家。
2009年2月25日、文化人や芸能人をはじめとする気品あるポートレートや、叙情的な風景写真で人気を集めた写真家、稲越功一さんが、肺腺がんのため死去。68歳。
1941年、岐阜県生まれ。グラフィックデザイナーから70年にフリーカメラマンに転身。数多くの芸能人や文化人のポートレートを手がけ、80年に「男の肖像」で講談社出版文化賞を受賞。中国を20年にわたって撮り続け、また、松尾芭蕉の「奥の細道」をたどるなど、日本を含むアジアの叙情的な風景や自然の撮影などでも活躍した。写真集に「中村吉右衛門」「百一人の肖像」、著書に「まだ見ぬ中国」など。東京のライカ銀座店サロンで写真展「芭蕉景」が開催中で、09年8月からは東京都写真美術館で写真展が開催されることが決まっていた。