コラソン・アキノ。Corazon Aquino。フィリピン元大統領。
2009年8月1日、フィリピンのマルコス独裁政権を崩壊させた「ピープル・パワー革命」の象徴で、同国初の女性大統領となったコラソン・アキノ元大統領が死去。76歳。アキノ元大統領は2008年3月に結腸がんを公表し、闘病を続けていた。
1933年、フィリピンのマニラ生まれ。タルラック州の裕福な政治家の家に生まれ、アメリカの大学を卒業。22歳で後に上院議員となるベニグノ・アキノと結婚。83年8月、反マルコスを掲げていた夫が亡命先のアメリカから帰国直後、暗殺されたことを機に政治活動入り。86年2月の繰り上げ大統領選挙に出馬した。同選挙でのマルコス陣営による得票不正操作をきっかけに、国軍改革派が決起。数十万人規模の民衆を巻き込んだ政変「ピープル・パワー革命」が起き、マルコス大統領はアメリカに亡命、アキノ氏が第11代大統領に就任した。在任中は新憲法を制定するなど、民主化に取り組んだが、7度もクーデター未遂が発生し、政権基盤は不安定なままだった。92年の退任後は政治の一線からは身を引いたが、改憲をもくろむアロヨ政権を牽制するコメントが世間をにぎわすなどなど、大衆への影響力を維持し続けていた。