シデイ・ツナヒデ。森林生態学者。
2009年11月26日、日本の森林生態学の創始者で、「里山」という概念を広めた京都大学名誉教授で元京都府立大学学長の四出井綱英さんが、肺炎のため死去。97歳。
1911年、京都府生まれ。京都一中、三高時代から山登りに熱中し、京都帝国大学(現・京都大学)農学部を卒業。林野庁林業試験場技官などを経て54年に京都大学農学部教授。森林を木材の生産現場とみる造林学から、生態学的視点で生物や物質の循環する場所ととらえ直し、全国で初めて森林生態学講座を開設。知床原生林や熱帯雨林など各地の自然保護に積極的に発言を続け、人と樹木が共生する場を意味する「里山」という概念を広めた。京都大学退官後、日本モンキーセンター所長、京都府立大学学長を務めた。98年に南方熊楠賞を受賞。著書に「森の生態学」「日本の森林」「森林保護学」「森林(1~3巻)」などがある。