ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー。Jerome David Salinger。作家。
2010年1月27日、落ちこぼれだがナイーブな少年の内面を描いた代表作「ライ麦畑でつかまえて」で知られるアメリカの作家、J・D・サリンジャーさんが死去。91歳。死因は明らかにされていない。
1919年1月1日、アメリカのニューヨーク州生まれ。10代後半に執筆活動を始め、21歳で初めての短編「若者たち(The Young Folks)」を雑誌「ストーリー」に発表。第二次世界大戦時にはノルマンディー上陸作戦にも参加。 48年「バナナフィッシュにうってつけの日(バナナフィッシュ日和)」を雑誌「ニューヨーカー」に発表。51年に発表した処女長編「ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)」は若い世代の熱狂的な支持を受け、6500万部以上の世界的大ベストセラーとなった。日本でも、64年に出版された野崎孝訳が250万部を超えるロングセラーとなり、2003年には村上春樹の新訳による「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が出版された。しかし、この名声に背を向けるように、53年以降は「フラニーとゾーイ」「大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章」など、わずかな作品を発表する以外は、ニューハンプシャー州コーニッシュの自宅で隠遁者のような生活を送り続けた。2000年、長女のマーガレットの手になる「我が父サリンジャー(Dream Catcher)」には謎に包まれた実像が描かれている。09年には彼以外の著者による「ライ麦畑でつかまえて」の続編の出版をもくろむ出版社を提訴し話題となった。