キタバヤシ・タニエ。本名、安藤令子。女優。
2010年4月27日、劇団民藝の創立メンバーで、舞台や映画の老女役で存在感を示した女優の北林谷栄さんが、肺炎のため死去。98歳。
1911年5月21日、東京生まれ。20歳で創作座の研究生となり、36年築地小劇場の「どん底」で初舞台。47年に民衆藝術劇場(第一次民藝)の結成に加わり、50年には滝沢修、宇野重吉らとともに劇団民藝(第二次民藝)を設立。20代後半から老け役に取り組み、「ビルマの竪琴」「キクとイサム」などの映画の老女役で絶大な存在感を示した。人気アニメ映画「となりのトトロ」で主人公たちを可愛がる、カンタのばあちゃんの声でも知られる。ライフワークとして63年から約40年間演じ続けた舞台「泰山木の木の下で」の、2003年の公演が最後の舞台となった。他の代表作に舞台では「オットーと呼ばれる日本人」「ハロルドとモード」「粉本楢山節考」「黄落」など。映画では「キューポラのある街」「にあんちゃん」、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した「大誘拐 RAINBOW KIDS」、同最優秀助演女優賞を獲得した「阿弥陀堂だより」などがある。