イナバ・マユミ。作家。
2011年8月31日、第47回谷崎潤一郎賞に、稲葉真弓の「半島へ」(講談社刊)が選ばれた。
1950年3月8日、愛知県生まれ。東京デザイナー学院卒業後、編集者をへて作家活動を開始。73年「蒼い影の傷みを」で女流新人賞を受賞。92年「エンドレス・ワルツ」で女流文学賞、95年「声の娼婦(しょうふ)」で平林たい子文学賞。女性とエロスを描いた作品で知られるが、近年は東海地方の自然を舞台にした作品を発表。志摩半島での生活を描いた「海松(みる)」で2008年の川端康成文学賞を受賞し、10年には同作品を収めた短編集「海松」が芸術選奨文部科学大臣賞に選ばれた。今回の受賞作「半島へ」では、東京を離れて志摩半島の別荘で過ごす女性作家の内面を、季節感豊かに描いた。