ウゴ・チャベス。Hugo Chavez。政治家。
2013年3月5日、アメリカに対抗する中南米諸国の左派政権の代表格で、がんで治療中だったウゴ・チャベス大統領が死去。58歳。
1954年7月28日、ベネズエラのバリナス州生まれ。陸軍士官学校卒業後、少尉となって地方に展開する部隊の司令官を務めるうちに、富裕層と貧困層間の経済格差など社会の矛盾を実感。軍隊内にラテンアメリカ独立の指導者シモン・ボリバルの名にちなんだ左派組織、ボリバル革命軍200(MBR-200)を結成し、地下活動を展開。92年2月にクーデターを試みたが失敗。投獄されたが、民衆の間に知名度を広げた。94年恩赦により釈放後はMBR-200を第五共和国運動党(MVR)に変えるなど、政治の世界に転身し、98年12月の大統領選に勝利。99年2月に大統領就任後は大統領の権限を強めるとともに、大土地所有制の解体や資源国有化など社会主義的な政策運営を実施し、貧困層から厚い支持を得た。また豊富な石油資源収入を背景に中南米で強い影響力を持ち、アメリカに対しては「帝国主義的だ」として強く批判。06年9月の国連総会の演説ではアメリカのブッシュ大統領(当時)を「悪魔」と呼んで物議を醸した。