エガミ・ナミオ。考古学者。
11月11日、騎馬民族征服王朝説を唱えた考古学者、江上波夫さんが、肺炎のため死去。96歳。
1906年、山口県生まれ。30年、東京帝国大学東洋史学科卒業。東方文化学院(現・東大東洋文化研究所)研究員を経て、48年から67年まで東京大学教授。日本水中考古学会の初代会長や日本オリエント学会の会長、古代オリエント博物館館長などを歴任。北方ユーラシアから西アジアにかけて長年にわたり現地調査を行い、匈奴(きょうど)文化や東西文化の交渉史の研究などに努めた。48年、東北アジアの騎馬民族が大和朝廷の起源とする「騎馬民族征服王朝説」を発表、当時の社会、学界に大きな議論を巻き起こした。91年文化勲章受賞。著書に「江上波夫著作集」「騎馬民族国家論」などがある。