アハメド・クレイ。Ahmed Qureia。パレスチナ自治政府新首相。
9月10日、パレスチナ自治政府のアラファト議長から次期首相の指名を受けていたアハメド・クレイ自治評議会議長が首相指名を受諾。
1937年、エルサレム近郊のアブディス生まれ。アブ・アラ(Abu Ala)の通称で知られ、60年代後半にパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハに加わる。銀行で働いた経歴を生かし、対外投資部門や企業部門を率いパレスチナ解放闘争を財政的に支えた。89年ファタハ中央委員会委員に選ばれ、パレスチナ自治開始後の94年から経済貿易相。96年から自治評議会議長。92年から93年にオスロで行われたイスラエルとの極秘和平交渉にはパレスチナ代表団団長として参加。イスラエルの交渉団長だったウリ・サビルはその著書で娘の結婚式にクレイの娘が出席している写真を載せ、家族ぐるみの付き合いであったことを明かすなど、実務家の穏健派として知られる。アラファト議長の側近と見られ、また、95年には心臓病で倒れるなど健康上に不安はあるものの、EU(欧州連合)はクレイ首相支持の方針。アメリカとイスラエルは、アラファト議長からどの程度の権限委譲を受けられるかを見きわめようとしている。