オダ・マコト。作家、評論家。
2007年7月30日、ベトナム反戦運動など市民運動の先頭に立ってきた作家で評論家の小田実さんが、胃がんのため死去。75歳。
1932年、大阪府生まれ。45年8月14日、敗戦の前日に大阪大空襲を体験。そこで目の当たりにした「無意味な死」に対する怒りが、その後の活動の原点にある。高校2年で「明後日の手記」を発表。東京大学文学部卒業後の58年、フルブライト奨学金を得てハーバード大学に留学。このときの体験とそれに続く1日1ドルの貧乏旅行でヨーロッパ・アジアを巡った体験記「何でも見てやろう」(61年)は、多くの若者の支持を受け、ベストセラーとなった。65年には開高健、鶴見俊輔らと反戦市民団体「『ベトナムに平和を!』市民連合(べ平連)」を結成。べ平連解散後も「『日本はこれでいいのか』市民連合」(日市連)の代表を務めるなど市民運動にかかわり、兵庫県西宮市の自宅で被災した95年の阪神・淡路大震災では、被災者支援法成立に尽力。2007年春に末期がんであることを公表した後も、護憲運動「九条の会」の活動などを続けていた。主な著書に「現代史」、「円いひっぴい」、「ベトナムから遠く離れて」、「『難死』の思想」、「HIROSHIMA」、「大阪シンフォニー」、「『アボジ』を踏む」、「玉砕」などがある。