アレクサンドル・ソルジェニーツィン。Aleksandr Solzhenitsin。作家。
2008年8月3日、ロシアのノーベル文学賞作家、アレクサンドル・ソルジェニーツィン氏が、急性心不全のため死去。89歳。
1918年、ソビエト連邦ロシア共和国(現在のロシア共和国)南部キスロボツク市生まれ。ロストフ大学卒業後の41年、独ソ戦で召集され、砲兵中隊長として従軍。45年、スターリンを批判した疑いで捕らえられ、約8年間を収容所で過ごした。62年、その体験をもとにした中編小説「イワン・デニーソヴィチの一日」を発表し、作家としての地位を確立。その後、ソ連国内では発表できずに国外で刊行された「煉獄のなかで」「ガン病棟」などにより、70年にノーベル文学賞を受賞。73年には、ソ連の弾圧の歴史を明らかにした大作「収容所群島」をフランスで出版。翌年、反ソ活動を行ったとして逮捕され、国外追放された。76年にはアメリカのバーモント州に移住し、執筆活動を継続。ソ連崩壊後の94年、20年ぶりに帰国を果たした。その後は、ロシア正教を中心としたロシアの復活など、民族主義的な主張を行うようになった。2007年には、当時のプーチン大統領から「国家賞」を贈られている。