クロード・レヴィ=ストロース。Claude Levi-Strauss。文化人類学者。
2009年10月30日、現代フランスを代表する文化人類学者で「構造主義の祖」と呼ばれたクロード・レヴィ=ストロースさんが死去。100歳。死因などは不明。
1908年、ベルギーのブリュッセル生まれ。両親ともにユダヤ系フランス人でパリ大学で法学と哲学を学び、高校教師を経て、35年、サンパウロ大学の社会学教授としてブラジルに赴任。現地のインディオ社会を調査した。第二次世界大戦直前に帰国したが、ナチスの迫害を逃れ渡米。亡命中に言語学者のロマーン・ヤーコブソンを介して構造言語学の理論に触れ、49年の論文「親族の基本構造」で、見えない「構造」が社会や文化を決定するとする構造人類学を構築。帰国後、ブラジル滞在中の体験を盛り込んだ自伝的紀行「悲しき熱帯」(55年)で脚光を浴び、59年には国立の高等教育機関コレージュ・ド・フランスの社会人類学講座の初代教授に就任。実存主義を痛烈に批判した62 年の「野生の思考」やジャンポール・サルトルとの論戦で戦後思想の潮流を実存主義から構造主義へと転換させ、思想界のみならず多方面のジャンルに影響を与え、20世紀最後の知的巨人とも称された。日本でも、大著「神話の理論」の翻訳が08年より刊行され始めた。