タカミネ・ヒデコ。元女優、エッセイスト。
2010年12月28日、「デコちゃん」の愛称で親しまれ、「二十四の瞳」「浮雲」などに主演した日本映画を代表する女優で、エッセイストとしても活躍した高峰秀子さんが、肺がんのため死去。86歳。
1924年3月27日、北海道生まれ。5歳のとき松竹蒲田入りし、野村芳亭監督の「母」で子役としてデビュー。37年には東宝に移籍し、「綴方教室」「馬」などの作品で少女役を好演。第2次世界大戦後は49年の主演映画「銀座カンカン娘」などでアイドル的な人気を確立。50年からフリーとなり、木下恵介監督の「カルメン故郷に帰る」「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾歳月」や成瀬巳喜男監督の「浮雲」「流れる」「放浪記」など日本映画黄金期の作品に数多く出演。68年からはテレビでも活躍し、フジテレビのワイドショー「小川宏ショー」では対談コーナーの聞き手も務めた。79年の「衝動殺人　息子よ」を最後に女優業を引退。51年からパリに半年間留学した体験を「巴里ひとりある記」（53年）にまとめ、自叙伝「わたしの渡世日記」（76年）が日本エッセイスト・クラブ賞を受賞するなどエッセイストとしても活躍。夫の松山善三監督との共著もある。