コマツ・サキョウ。本名、小松實。SF作家。
2011年7月26日、「日本アパッチ族」「日本沈没」などの作品で知られ、文明評論家としての活動や、博覧会の総合プロデューサーなどでも手腕をふるったSF作家の小松左京さんが、肺炎のため死去。80歳。
1931年1月28日、大阪府生まれ。京都大学在学中に同人誌「京大作家集団」に参加、後に作家として活躍する高橋和巳らと交友を深める。大学卒業後は経済誌記者や漫才台本作家として過ごすが、61年、「SFマガジン」誌のSFコンテストに応募した「地には平和を」が努力賞を受賞。翌62年、同誌に「易仙逃里記」が掲載されてプロデビューを果たした。以降、大阪城周辺の廃墟を舞台にした「日本アパッチ族」(64年)、生物兵器と核戦争による人類滅亡を描いた「復活の日」(同)、地殻変動で海に沈む日本列島を描きミリオンセラーとなった「日本沈没」(73年)など、話題作を多数発表。日本SF作家クラブには63年の発足当初から参加、80～83年に会長を務める。文明評論家としての顔を持つほか、90年に大阪で開催された国際花と緑の博覧会の総合プロデューサーを引き受けるなど、多彩な活動でも知られた。他の代表作に「エスパイ」「継ぐのは誰か？」「果しなき流れの果に」「首都消失」「さよならジュピター」など。