ジェームズ・バンアレン。James Van Allen。物理学者。
8月9日、後にバンアレン帯と名付けられる地球を取り巻く放射線帯を発見し、アメリカの無人惑星探査の多くに携わった物理学者ジェームズ・バンアレンさんが、心臓疾患のため死去。91歳。
1914年、アメリカ・アイオワ州生まれ。35年、アイオワ・ウェスリアン大学を卒業、アイオワ大学で39年に博士号を取得した後、42年まで特別研究員としてワシントン・カーネギー研究所で働いた。第二次世界大戦では海軍予備兵として従軍し、戦後、ジョンズ・ホプキンス大学で上層大気について研究した。51年にアイオワ大学に戻り、55年、他の研究者とともに、国際地球観測年(57~58年)の観測計画のひとつとして観測衛星の打ち上げを提案した。58年、観測衛星「エクスプローラー1号」が打ち上げられ、観測結果から地球をドーナッツ状に取り巻く放射線帯を発見、発見者の名前をとってバンアレン帯と名付けられた。その後も、25を越える宇宙観測に参加し、アメリカの宇宙科学において最も偉大で、最も業績を残した一人と言われている。