サオトメ・ミツグ。本名、鐘ヶ江秀吉。作家。
2008年12月23日、全21巻の大河歴史小説「会津士魂」などで知られる作家の早乙女貢さんが、胃がんのため死去。82歳。
1926年、旧満州(現中国東北部)ハルビン生まれ。45年の敗戦後、日本に引き揚げ、山本周五郎に師事。56年、講談倶楽部賞を受賞した新人作家を中心とした同人誌「小説会議」を創刊。同誌に掲載された、マリアルース号事件を扱った歴史小説「僑人の檻」で69年第60回直木賞を受賞。曽祖父が会津藩士だったことから、月刊誌「歴史読本」に、敗者の視点から幕末を描く大河歴史小説「会津士魂」を連載。70年から31年かけて、吉川英治文学賞を受賞(89年)した第1期幕末編13巻、第2期明治編8巻の計21巻を執筆。さらに続編として敗戦から昭和までの話を書く構想も練っていたという。他の代表作に「沖田総司」「竜馬を斬った男」「忍法かげろう斬り」「おけい」などがある。