ウチムラ・ゴウスケ。本名、内藤操。評論家、ロシア文学者。
2009年1月30日、シベリア抑留体験を基に評論活動を行った評論家でロシア文学者の内村剛介さんが、心不全のため死去。88歳。
1920年、栃木県生まれ。14歳で渡満。満洲国立大学ハルビン学院を卒業後、日本陸軍の関東軍に徴用され、敗戦とともにソ連に抑留。11年間をソ連内の監獄やラーゲリ(収容所)で過ごしたのち、56年、最後の帰還船で帰国した。帰国後、商社勤務のかたわら文筆活動をはじめ、73年から78年まで北海道大学、78年から90年まで上智大学で教授を務めた。収容所での抑留体験で学んだロシアのフォークロア、ロシア人の思考法に関する認識など、旧来のロシア文学者にはない目線で旧ソ連を批判。60~70年代の知識人たちに大きな影響を与えた。著書に「生き急ぐ―スターリン獄の日本人」「呪縛の構造」「ソルジェニツィン・ノート」「わが身を吹き抜けたロシア革命」「内村剛介ロングインタビュー」などがある。