サルバトーレ・リチートラ。Salvatore Licitra。オペラ歌手。
2011年9月5日、イタリアの世界的テノール歌手、サルバトーレ・リチートラが死去。43歳。8月27日、イタリア南部のシチリア島で、スクーターを運転中に事故に遭い頭部を強打。昏睡状態が続いていた。
1968年8月10日、スイスのベルン生まれ。両親はともにシチリア系イタリア人。音楽大学などを出たエリートではなく、18歳からグラフィック・デザイナーとして働き、発声の勉強をはじめたのは21歳。往年の名テノール、カルロ・ベルゴンツィに師事してから才能が開花した。98年に歌手デビューを果たすと、ミラノのスカラ座を舞台に数々の主役をこなす。2002年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でルチアーノ・パバロッティの代役を急遽こなして絶賛を浴びたことから、“パバロッティの再来”とも呼ばれ、世界的な人気を誇った。ボローニャ歌劇場日本公演2011に出演するため9月の来日を目前に控える中、突然の訃報となった。