クワバラ・キネオ。写真家。
2007年12月10日、東京の上野や浅草などの風景を戦前から撮り続け、戦後は「カメラ芸術」などの編集長としても活躍した桑原甲子雄さんが、老衰のため死去。94歳。
1913年、東京生まれ。34年ころから写真を撮りはじめ、上野や浅草周辺などを撮影。写真雑誌の月例コンテストに投稿するようになり、35年、36年と「カメラアート」誌の年度賞を受賞。第二次世界大戦後の48年には、写真雑誌「カメラ」の編集長となり、月例写真の選者に土門拳を起用した。その後も、「サンケイカメラ」「カメラ芸術」「季刊写真映像」「写真批評」各誌の編集長を歴任。73年、30年代の東京を撮影した写真展が注目を集め、翌年、初めての作品集となる「東京昭和十一年」を61歳で出版。写真家として活動を再開し、93年には「ラヴ・ユー・トーキョー」と題して、荒木経惟との2人展も開いている。他の写真集に「満州昭和十五年」「夢の町」など。