ソン・ギジョン。孫基禎。元マラソン選手。
11月15日、ベルリン五輪のマラソンに「日本代表」として出場し、優勝した孫基禎さん(韓国)が、心不全のため死去。90歳。
1912年、朝鮮・平安北道新義州生まれ。19歳の時に、初マラソンで2位に入賞。養正高等普通学校に誘われ、本格的にマラソンに取り組んだ。当時、朝鮮半島は日本の植民地下にあったため、ベルリン五輪(36年)には日本代表として出場。2時間29分19秒2の五輪新記録で金メダルを獲得。朝鮮と日本、双方で国家的英雄とたたえられたが、朝鮮の「東亜日報」が、表彰台での写真を掲載する際、ユニホームの胸の日の丸を塗り消して掲載したことから、朝鮮総督府は同紙を発刊停止処分にした。第2次大戦後は大韓体育会の副会長や韓国陸連理事長、韓国オリンピック委員会(KOC)常任委員などを歴任。88年のソウル五輪では聖火ランナーを務めた。自伝「ああ月桂冠に涙」がある。