ノムラ・マンノジョウ。本名、耕介。和泉流狂言師。
6月10日、和泉流の狂言師で、プロデューサー・演出家・劇作家・学者・役者として活躍した五世野村万之丞さんが、神経内分泌がんのため死去。44歳。
1959年、東京都生まれ。300年の歴史を持つ、加賀前田藩お抱えの和泉流狂言師野村万蔵家の長男。祖父の六世万蔵、父の七世万蔵改め萬はともに人間国宝。3歳の時に「靱猿(うつぼざる)」の猿で初舞台。95年に五世万之丞を襲名するとともに万蔵家の八代目当主となった。狂言師として伝統芸能の伝承と発展に力を注ぐ一方で、多数のオリジナル狂言作品も創作。演出家としてイタリアでの伝統芸能の公演や、長野パラリンピックの閉会式を演出。田楽や伎楽など古代・中世の芸能の研究にも取り組むなど、音楽・舞踏・演劇・美術から成る総合芸術としての「楽劇」を提唱。自らを「総合芸術家」と称した。2003年には京都造形芸術大学教授に就任し、演劇人類学を担当。2005年1月には八世万蔵を襲名する予定だった。