タダ・ミチタロウ。フランス文学者。
2007年12月2日、フランス文学者で、日本文化、現代風俗などの研究でも知られる、京都大学名誉教授の多田道太郎さんが、肺炎のため死去。83歳。
1924年、京都府生まれ。49年、京都大学仏文科卒業後、同大学人文科学研究所助手となり、63年、助教授を経て、76年に教授。88年定年退官後は、明治学院大学や武庫川女子大学などで教鞭をとった。ルソーやボードレールの研究者として知られる。その傍ら、雑誌「思想の科学」の編集に携わり、76年には、故桑原武夫や哲学者の鶴見俊輔らと現代風俗研究会を結成。ファッションや流行、テレビ、漫画といった社会風俗や日常の身辺雑事から、都市風俗論や食文化論などを展開、その自由な発想は「タダイズム」と呼ばれた。主な著書に「複製芸術論」「しぐさの日本文化」「風俗学」「変身 放火論」「日本人の美意識」「新選俳句歳時記」など多数。「道草」の号で俳句もたしなんだ。