ハロルド・ピンター。Harold Pinter。劇作家。
2008年12月24日、「不条理劇」の大家として知られるイギリスの劇作家で、05年のノーベル文学賞を受賞したハロルド・ピンターさんが死去。78歳。ピンターさんは、がんとの闘病生活を続けていた。
1930年、イギリス・ロンドンの特別区ハックニー生まれ。ユダヤ系ポルトガル人の仕立て屋の息子として育った。王立演劇アカデミーに学び、51年に舞台俳優となるが、57年に戯曲「部屋」で劇作家に転身。「管理人」(59年)、「帰郷」(64年)などで、劇作家としての地位を確立。その作品は日本でもたびたび上演されている。「フランス軍中尉の女」など、映画の脚本も手がけた。ユーゴスラビアへの空爆やアフガニスタン空爆を批判するなど、反戦思想の論客としても知られ、入院中のためビデオで寄せたノーベル賞の受賞記念スピーチでは、イラク戦争は「露骨な国家テロ」と非難し、当時のアメリカのブッシュ大統領とイギリスのブレア首相を、大量殺人を主導した「戦争犯罪人」と批判し、話題を呼んだ。