フジマ・ムラサキ。本名、喜熨斗綾子(キノシ・アヤコ)。
2009年3月27日、日本舞踊の紫派藤間流家元で女優としても活躍した藤間紫さんが、肝硬変のため死去。85歳。
1923年、東京生まれ。7歳で日本舞踊を始め、35年、日舞の藤間流6代目宗家、藤間勘十郎(後の勘祖)の内弟子となり、44年に結婚。戦後は家元夫人として流派を盛り立てる一方、舞踊劇「淀君」を発表。49年には「グッドバイ」で映画デビューを飾り、「三等重役」「亭主の祭典」「へそくり社長」など、喜劇映画を中心に多くの作品に出演した。新派や新国劇などの舞台にも数多く出演。「●(さんずいに墨)東綺譚(ぼくとうきたん)」で91年度の菊田一夫演劇大賞、同作と「父の詫び状」の演技で94年第1回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。95年の舞台「西太后」も高く評価され、代表作となった。私生活では、現夫の歌舞伎俳優・市川猿之助と1960年代から生活を共にし、勘十郎側から離婚訴訟を起こされ、87年に紫派藤間流を創流するなど、話題になったこともある。