ノザワ・ナチ。本名、野沢那智(やすとも)。俳優、演出家、声優。
2010年10月30日、映画「太陽がいっぱい」のアラン・ドロン、ダイハードシリーズのブルース・ウィリスなどの吹き替えを行った声優で、ラジオの深夜放送でも人気を博した野沢那智さんが、肺がんのため死去。72歳。
1938年1月13日、東京生まれ。父は小説家の陸直次郎。演出家を志し、劇団七曜会などを経て、62年に劇団薔薇座を結成。声優としては、65年から放送された海外ドラマ「0011ナポレオン・ソロ」のイリヤ・クリヤキン役で一躍有名となった。以降、テレビの洋画番組ではアラン・ドロン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、ブルース・ウィリスなどの声を演じ、アニメでも「新・エースをねらえ!」の宗方仁、「ベルサイユのばら」のフェルゼン、「スペースコブラ」のコブラ役で活躍した。また、67年から深夜ラジオ番組「パック・イン・ミュージック」で放送タレントの白石冬美とコンビを組み、「ナッチャン」と「チャコ」の「ナッチャコパック」として人気を博した。15年間にわたって放送され、その後、別のラジオ局でも同じコンビでラジオ番組のパーソナリティーを務めた。92年には俳優、声優を養成するパフォーミング・アート・センターを設立、後進の育成に努めた。俳優の野沢聡は長男、タレントの野沢直子は姪にあたる。