モリ・ミツコ。本名、村上美津。女優。
3月3日、女優森光子が43年間主演を続けている「放浪記」が、名古屋市の中日劇場での公演で通算1700回を達成。
1920年、京都市生まれ。35年、伯父の嵐寛寿郎ひきいる寛寿郎プロの映画でデビュー。戦争中は地方巡回の小劇団などで娘役や歌謡ショーの前座歌手などを務めていた。戦後、関西で喜劇女優として頭角をあらわし、53年、NHKの実験放送「かんざし」でテレビ初出演。58年菊田一夫に見いだされ上京、61年、林芙美子原作の「放浪記」で芙美子役を演じ芸術祭賞を受賞し、人気を確立した。テレビドラマでも活躍する中、放浪記の芙美子役は最大の当たり役となり、1人の俳優が代役なしに主演し続ける舞台としては、故・山本安英さんの「夕鶴」の公演数1037回を90年に上回って以来、国内記録を更新中。同舞台では「でんぐり返し」が名物だが、83歳の森はトレーナーに筋力トレーニングのプログラムを組んでもらい、毎日ヒンズースクワットを150回やって舞台に備えているという。